火星で見たものを地図を表示して比較する、S&Tの 「Mars Profiler」ツール の
使い方備忘録です。
① 左上には日付と時刻が表示され、ルーチンを開いたときには、コンピュータの時計から
判断した現在の時刻に初期化されている。日時を変更して「Calculate using」ボタンをクリ
ックすると、別の時間の結果が表示される。また、次の行のボタンをクリックすると、1日ま
たは1時間単位で時間を戻したり進めたりすることができる。このツールはユニバーサルタイ
ム(UT、グリニッジ標準時と同じ)を採用しており、時刻ボタンの下には、コンピュータの
現在の設定に基づいて、UTとローカルタイムとのオフセットが表示され、手動で時刻を変更
する場合は、観測を行う現地時間に対応したユニバーサルタイムを入力する。
② 右上は、CGによる火星の地図で、火星の主なアルベド(濃淡)の特徴を示している。ル
ーチンを開くと、南が上になっており、北半球のニュートン反射鏡で見られる反転した視界
と一致している。赤丸は、地球に向かって真正面から見た惑星表面の領域を示す。
火星経度の目盛りは、地図の南端に表示される(直視・鏡視)。なお、ここでいう「北」
「南」「東」「西」は天空の方向であり、火星経度が西に向かって大きくなる赤い惑星の表
面上の方向ではない。
③ 時刻ボタンと地図の下には、望遠鏡の視野に合わせて地図の向きを変えるための3つのボ
タンがある。[直視=Direct view] では、天の北を上に、天の東を左にします。デフォルトの
[反転表示=Inverted view]では、南を上に、西を左にします。[ミラー反転=Mirror
reversed]は、北が上、西が左になり、北半球で星を対角線上に置いて使用するカタディオ
プトリック式(ミラーレンズ式)や屈折式の望遠鏡のほとんどの見え方と一致する。
火星は地球と同じ方向に回転している。そのため、望遠鏡で真正面(天の北を上に、東を左
に)から見た場合、時間ごとに火星の表面の模様が左から右に移動する。しかし、多くの天
体望遠鏡は、南を上にして見たり、北を上にして鏡を反転させて見たりしているので、いず
れの場合も、時間の経過とともに赤い惑星の表面の模様が右から左に移動していくように見
える。これは、「+1時間」ボタンを繰り返しクリックすることで確認できる。
火星の1日は24時間37分。つまり、地球の1日23時間56分では、火星は自転を1周していな
いことになる。つまり、24時間間隔で望遠鏡で火星を見ると、少しだけ「逆回転」している
ように見える。これは、「+1日」ボタンを繰り返しクリックすることで確認できる。
④ 画面下部には、地図を作成した日時に対応する火星の明るさや地球からの距離などのデ
ータが表示される。
(a) [見かけの大きさ=Apparent visual magnitude]
(b) [地球からの距離=Distance from Earth]
注):地球と太陽の平均距離を基準とした1天文単位(a.u.)は、1億4,959万8,000km
(9,295万6,000マイル))
(c) [イルミネーション=Illumination]とは、惑星の位相のこと(100%がフル)
(d) [火星の北極の位置角(p.a.)=Position angle of north pole]は、天の北から東に向か
って反時計回りに測る。つまり、p.a.が10°であれば、火星の北極が天の北からやや東に
傾いていることを意味し、p.a.が350°であれば、やや西に傾いていることを意味する。
(e) [角径=Angular diameter]とは、天空で火星がどれだけ大きく見えるかを示すもので、
単位はアークセコンド(1/3600度)
(f) [中心子午線=Central-meridian longitude]は、火星の中心を極から極へと結ぶ想像上の
線の火星の経度。
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